新長田の再開発地区に県市が合同庁舎 19年に1000人規模
神戸市と兵庫県は28日、1995年の阪神淡路大震災で火災などの大きな被害を受け、現在でも再開発事業が続く新長田地区(神戸市長田区)に行政機関の一部を移転することで合意したと発表した。同地区では就業者数を示す昼間の人口が震災前を回復せず、小売店などの減少が続いているため。2019年までに県と市が利用する合同庁舎を建設し、最大1000人程度の行政職員が新長田で働くようになることで、街の活性化につなげる考えだ。
兵庫県は神戸地域の庁舎のあり方を見直す一環として、新長田に移転する機関を決める。現時点では神戸県民センターを中心とした行政機関を見込む。神戸市も15年度内には移転する部署や外郭団体などを決める計画だ。建設するのは神戸市長田区二葉町5丁目の再開発事業用地。商業施設「アスタくにづか5番館」南棟の東側に隣接する。床面積は最大で1万8000平方メートル規模を想定している。
報道によると、兵庫県の井戸敏三知事と神戸市の久元喜造市長は28日に共同で記者会見を開いた。記者会見では、事業費が数十億円規模になることを明らかにしたうえで、行政機関の集約による効率化などに言及したという。県と市の負担割合などは決まっていないとみられ、今後詰める必要がある。
新長田・大正筋商店街周辺の活性化事業では今年3月、「神戸アニメストリート」がアスタくにづか3番館でオープン。今月26〜27日には「第4回KOBEぽっぷカルチャーフェスティバル」を開催し、公開録音イベントやライブなどを展開。アニメファンやアイドルファンなどが集まった。