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シスメックス、栄研化と尿検査で業務提携 栄研化の機器など世界販売

 シスメックスは8日、栄研化学と尿定性検査で提携すると発表した。栄研化が持つ尿検査に関する技術や商品をシスメックスに提供し、シスメックスは自社ブランドで海外向けに販売する。シスメックスが血液検査の分野で築いた販路などを活用し、尿検査の分野でも両社で世界的なトップシェアをねらう。

 尿検査は通常、まず試験紙を使って問題があるか判断する定性検査と、定性検査で陽性になった尿を遠心分離機にかけて沈殿物を詳しく調べる沈渣(ちんさ)検査の2段階で実施する。国内では定評のある栄研化の定性検査の試薬や分析機器を、シスメックスが既に高いシェアを持つ沈渣検査の関連製品に合わせて使用することで、検査が効率化しやすくなるという。

 シスメックスが栄研化との提携に踏み切った背景には、糖尿病の初期診断を目的に、尿検査の需要が高まっていることがあるようだ。悪化すれば人工透析が必要になり、行動も制約されかねない糖尿病腎症の早期発見には、尿検査が適しているという。血液検査で既に高いシェアを持つシスメックスは、尿検査分野も成長分野と位置付けたようだ。

 提携の第1弾として、シスメックスは尿の定性検査装置を発売すると発表した。栄研化から供給を受けた機材や試薬などの、シスメックスによる自社ブランドでの販売になる。米国、欧州、中国、アジア・パシフィックなどで販売を計画。各国の許認可が下り次第、順次販売を開始する見通しという。 

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