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シスメックスの前期、純利益29%増 中期計画も発表

 シスメックスが12日に発表した2015年3月期の連結決算は、純利益が前の期に比べ29%増の266億円だった。過去最高益を更新。国内外で同社製の検体検査機器が普及したのに伴い、利益率の高い検査試薬が血球計数検査や血液凝固検査の分野で伸びた。期末配当は22円とし、年間では38円と従来予定の32円から引き上げた。

 売上高は20%増の2213億円、営業利益は35%増の444億円だった。国内では医療費削減を背景に検体検査機器の販売が伸び悩んだが、検査試薬は順調。海外では中国と米国で収益の伸びが目立った。売上高の国内比率は18.3%と、前の期の21.8%から低下した。

 16年3月期の連結純利益は前期比19%増の318億円を見込む。先進国での医療費削減に伴う検査の効率化や、新興国での医療の高度化で、検体検査機器の需要は根強いとみる。売上高は11%増の2450億円、営業利益は13%増の500億円の見通し。年間配当金は前期比2円増配の40円(うち中間20円)を計画する。

 併せて発表した中期経営計画では、最終年度とする18年3月期の売上高3000億円、営業利益630億円、ROE18.0%を目標に掲げた。競争環境は激しくなる一方で先進国、新興国ともに引き続き市場は拡大すると見込む。海外での拠点整備を積極化。加古川市に新たな製造拠点を整備したのに加え、関係会社の工場も生産能力も段階的に拡充を進めている。

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