神戸経済ニュース

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神戸同友会、代表幹事に高士神戸新聞社長 報道の中立性に関心も

 共同通信は11日、同社のホームページなどを通じて「神戸経済同友会は10日、ダンロップスポーツ会長の馬場宏之代表幹事(61)が任期満了で退任し、後任に神戸新聞社の高士薫社長(62)が就任する人事を内定した」と報じた。5月22日付で就任し、任期は2年という。昨年就任して任期中である川崎重工業の成松郁広執行役員人事本部長と2人で代表幹事を務める。

 神戸新聞社は神戸で唯一のメディア複合企業。有力地方紙である「神戸新聞」を発行するほか、近畿地方に加えて東京などでもスポーツ紙を発行するデイリースポーツや、兵庫県域の独立UHF局であるサンテレビを傘下に収める。2013年11月期の連結売上高は475億円、純利益は12億円だった。神戸新聞編集局長なども務め、幅広い人脈が期待される記者出身の高士氏が代表幹事に就任することで、産学連携の橋渡しなど神戸経済の活性化に加え、神戸や兵庫の経済に関する積極的な情報発信も見込まれる。

 半面、報道機関のトップが経済団体のトップを兼ねることに疑問の声が上がる可能性もある。代表幹事への就任は、経営者が中心になった政策提言などの主体である同友会のインサイダー(内部者、当事者)になることだ。神戸新聞では今後、経営者や事業主の声ばかりが重視され、経済発展の狭間で不利な立場に追い込まれた人々に焦点を絞った報道が軽視されることはないのか。報道機関として一線を越えたとの指摘も出やすく、報道の中立性に疑念を差し挟む余地を与えかねない。

 11日付の神戸新聞は高士氏の同友会代表幹事への就任について、内定したと「発表した」と共同通信とはやや異なる表現で伝えた。もともとニュースリリースを掲載する場所はないが、11日夜現在で神戸経済同友会のホームページには新代表幹事に関する言及は見当たらない。

 

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