井戸兵庫知事、行革総点検「組織いじりはしたくない」 都知事選「小池氏の戦略的中」
兵庫県の井戸敏三知事(写真=兵庫県が公開した動画より)は1日午後に開いた定例記者会見で、「組織いじりはもう、あまりしたくないというのが率直な気持ち」と語り、今年度中に実施する第3次行革プランの総点検の結果を受けた組織や体制の変更は最小限にとどめる方針を示した。2016年度は同行革プランの3年目で、総点検を実施する年度に当たっている。
井戸氏は「特に県民局、県民センターについては総点検のたびに(体制などが)変わったり、名前まで変わったりといったことが起きている」と指摘。「組織は安定的なものとして、(施策などの)課題に取り組んだ方が良いのではないか」と述べた。
兵庫県は第3次行革プランの総点検の一環で「課題と検討方向」をまとめ、1日に発表した。県の組織や定員、給与、施策、公営企業や公社などの課題を包括的に挙げた。12月をめどに今回挙げられた課題の解決に向けた新たな改革案をまとめ、来年2月の議会に行革プランの変更議案として提出する計画だ。
記者の質問に応じて7月31日に投開票した東京都知事選にも触れた。政党の支援を受けなかった小池百合子・元防衛相が当選したことについて、組織の体制が整うまでの間隙を突いた「小池百合子さんの戦略が的中したということ」との見方を示した。増田寛也・元総務相が敗れた原因としては「増田さんは、小池さんの知名度には及ばなかったのではないか」と分析した。
さらに井戸氏は「東京都民は誇り高くて『なんで岩手県知事を』と思った人が多かったのでは」とも付け加えた。「われわれの大先輩である阪本勝兵庫県知事が(1962年に)勇退した後も(都知事選に出馬して現職の)東龍太郎知事と戦ったが、その時も『なんで兵庫の知事が』というムードになった」と歴史をひもといた。
8月1日で4期目の任期が残り1年になったが、5期目に挑戦するかどうかは「いま考えることがらではない」と述べるにとどめた。