神戸製鋼、水素ステーションのテスト施設を新設 5億円で高砂製作所内に
神戸製鋼所は1日、燃料電池車(FCV)に燃料である水素を補給する水素ステーションのテスト施設(写真=神戸製鋼の発表資料より)を新設すると発表した。機械事業部門がある高砂製作所(高砂市)に設置し、実際の自動車に燃料補給する際のシミュレーションがさまざまな形でできるようになるという。投資額は5億円で、3月中旬にも完成する。
FCVは走行中に発生する排出物質が水だけであることから、将来普及する環境対応車(エコカー)の有力候補とされる。ただ、今後は航続距離を伸ばすために高圧で水素を自動車に注入したり、バスやトラックなどには多量の水素を補給したりする必要があり、欧州では規制強化の動きも出ている。そうした多様な条件で機器の動作などを検証するのに使う。
同社は既に水素ステーション17件を販売した実績があり、国内シェアの約3割を占める。今後の規制強化を見越した施設の開発や、施設自体の小型化に加え、施設の維持管理に関するノウハウ蓄積などにもつなげる計画のようだ。
同社は2〜4日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催する燃料電池に関する国際見本市で、水素ステーションの説明パネルや関連機器の実機を展示する。