井戸兵庫知事、政府機関の地方移転「一歩を踏み出したということで意義がある」

　兵庫県の井戸敏三知事は22日の定例記者会見で、政府機関の地方移転について「我々の期待よりは（結果が）小さかったかもしれないが、少なくとも政府機関の地方移転への一歩を踏み出したということで意義がある」と一定の評価ができるとの見方を示した。「以前は何しろ、この手の話は何も動かなかった」と付け加えた。

 　政府は同日午前にまち・ひと・しごと創生本部の会合を開き、文化庁を数年内に京都府へ全面移転する基本方針を決定した。徳島県が移転を求めている消費者庁や和歌山県が求める総務省統計局は、社会実験のうえで８月末に改めて判断するという。

　兵庫県が求めていた観光庁の移転は見送りが決まったが、井戸氏は「理研（理化学研究所）などについては、神戸への一定の配慮もしていただいた」と述べた。政府は併せて、理化学研究所の産学連携を強化する拠点を、2016年度中に兵庫県に設置することも決定。神戸事業所の強化につながるとみられる。