神戸経済ニュース

こちらは旧サイトです。新サイトは http://news.kobekeizai.jp をご覧ください。

神戸医療産業都市の進出企業が300社に 15年間の目標ひとまず達成

 神戸市は15日、神戸医療産業都市への進出企業・団体数が300に達したと発表した。医薬品の海外販売支援や臨床試験(治験)支援を手がける米クインタイルズ・トランスナショナル日本法人「クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン」が月内に拠点を構える。構想を推進する先端医療振興財団を2000年に設立してから15年間で300社の目標を達成した。

f:id:gaku-tokyo:20150715211952p:plain

 神戸医療産業都市構想は、1995年1月に発生した阪神淡路大震災の復興計画の目玉の1つとして始まり、神戸市が中心になって取り組んでいる。日本だけでなくアジアで広くで進むとみられる少子高齢化を背景に膨らむ、医療機器や創薬といった医療産業の需要を取り込み、産業を集積することで街の復興を狙った。

 当初の計画である2010年に200社、2015年に300社というペースに沿って進出企業数を伸ばした。当初300社が集積した段階で4200人程度と予想した雇用者数は、すでに7000人に迫る勢いだ。東京や大阪に本社を構える企業でも、神戸医療産業都市のエリア内に拠点を設ける動きが相次いだ。

 ただ、医療産業の市場規模はまだ拡大途上。成長の余地が大きい半面、他の集積地が世界の医療界に影響力を持つようになる可能性も残る。中央市民病院こそ現在の位置に定着したが、兵庫県立こども病院の移転開業が2016年に控え、神戸国際フロンティアメディカルセンターの増床計画などもある。高度医療に対応した医療機関による患者の受け入れは、本格化がこれからだ。

 神戸市への経済効果も現時点では想定を上回ったとみられるが、ポートアイランド第2期の地域には現在も多くの空き地が残る。先端医療の研究開発から治療までワンストップの医療都市として世界の拠点になるには、肝心の神戸市民からのサポートも欠かせないだろう。

f:id:gaku-tokyo:20150504150411j:plain
ポートアイランド第2期の地域に残る空き地=2015年5月撮影)

copyright(c)2014 by Kobe Keizai News, all rights reserved