富士通テン、デンソーの連結子会社に 富士通は出資比率14%に引き下げ
デンソー、富士通、トヨタ自動車の3社は9日、カーオーディオやカーナビゲーションシステムなど車載機器を製造する富士通テン(神戸市兵庫区)に対する3社の出資比率を見直すことで合意したと発表した。富士通が富士通テン株の41%を売却し、これをデンソーが買い取ることで2016年度内にも最終合意する。富士通テンはデンソーの連結対象になる見込みだ。
運転支援技術や自動運転技術の普及に向け、運転者と自動車をつなぐカーナビやカーオーディオの重要性が増している。このためデンソーは富士通テンとの関係を深め、自動運転に必要な技術の共有やさらなる開発を進めることで、富士通やトヨタとも合意した。富士通は今回の見直しを契機にデンソーとの関係を一段と深め、自動車に関する事業や物のネット接続(IoT)などの強化につなげたい考えだ。
富士通テンは1920年に設立した川西機械製作所に源流があり、49年設立の神戸工業が前身。68年に富士通が合併したが、ラジオ部門が72年に独立して富士通テンを設立。73年にデンソーとトヨタが資本参加し、トヨタの純正オーディオなどを手がけるようになった。