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シスメックス、iPSからの細胞の移植前検査で共同研究 ヘリオス、大日本住友と

 シスメックスは26日、iPS細胞を使って作成した細胞や臓器などの移植前の検査についてヘリオス大日本住友製薬と共同で研究すると発表した。他人の細胞から作ったiPS細胞から再生させた細胞や臓器などを移植する際に、体外から異物の侵入を拒絶する「免疫反応」が起きるかどうかを移植前に判別する方法などの確立をねらう。

 患者本人の細胞からiPS細胞を作成し、このiPS細胞から臓器や細胞を再生して患者に移植する「自家移植」は、すでに目の難病治療で実績があるが、移植できる細胞などの作成に時間がかかるのが難点だ。患者とは無関係である他人の細胞でiPS細胞を計画的に多く作ることが再生医療の低価格化や普及には鍵になるとみられている。

 だが他人の細胞を患者に移植すれば、異物とみて免疫反応が起きる可能性が出てくる。このため移植する細胞に適合性があるか、移植後に免疫反応を抑制する薬剤をどの程度投与すれば良いかなどを事前に検査する必要がある。

 ヘリオスと大日本住友は他人からのiPS細胞を使った目の難病「加齢黄斑変性」の治療を共同研究しており、両社から細胞の提供を受けてシスメックスが事前検査技術の開発に取り組む。シスメックスが持つ細胞の現象を素早く画像化する技術や、たんぱく質解析技術などが寄与する見通しとしている。

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