神戸市、「ポケモンGO」巡る情報収集でプロジェクトチーム スマホに関する有識者会議も
神戸市は25日、22日に国内配信が始まった任天堂などのスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」を巡る情報収集のためにプロジェクトチーム(PT)を設置すると発表した。同ゲームで採用された拡張現実(AR)技術などが普及することで、地域社会や自治体にどういった影響があるのかを探る手掛かりにする。こうしたスマホの進化と自治体との関係を考える有識者会議も設置する。久元喜造市長(写真=神戸市が公開した動画より)が25日の定例記者会見で明らかにした。
市役所内の部署を超えた人材を集めて横断的なチームを作成し、神戸市内でどういった現象が起きているか、ネット上でどういった言説があるのかなどを幅広く調べる。東遊園地(神戸市中央区)の慰霊と復興のモニュメントなど「ポケモンが現れることが適当ではない施設もある」(久元氏)ことにも対応する一方、地域の課題解決に役立つのかといった点を考える際の参考資料としても活用する計画だ。
こうしたスマホの進化が自治体や地域社会にどう影響するのかを把握するための市民や民間も交えたPTも設置。加えて品田裕・神戸大大学院法学研究科教授(政治学)を座長に、スマホの進化と社会への影響を考える有識者会議の設置も決めた。さらに、こうした学際領域的テーマの学術研究として大学などに研究委託することも検討を始めた。いずれも「2016年度の既決予算の中で対応する」としている。
ポケモンGOに限らず、これまでも歩きスマホなどの公共マナーに関しては話題になっていた。一方で手軽に持ち歩ける高性能な通信機器の可能性は大きい。地域の安全、地域コミュニティ(共同体)の形成、新たなビジネスの創出など地域経済の活性化、児童心理や教育などさまざまな影響がありそうだが、久元氏は、そもそも「こうした現象は一体なんなのか、それに伴って何をすればいいのかということも未知の世界」だと指摘。神戸市としても新たに対応すべきテーマであることを強調した。