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先端医療センター病院、中央市民病院に統合へ 神戸医療産業都市

 神戸市は21日、神戸医療産業都市の中核機関の1つである先端医療センター病院(写真=先端医療振興財団のホームページより)を、医療センター中央市民病院に統合する方針を決めたと発表した。両病院の運営団体で今後、統合の方法や時期などを具体的に詰める。神戸医療産業都市としての臨床試験(治験)に関する体制強化や、市の財政負担軽減などにつながると判断した。

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 これまで先端医療センターは再生医学や映像医学、治験などで神戸医療産業都市の中核的な役割をはたしてきた。だが、国は新たに医療法で「臨床研究中核病院」を定め、10以上の診療科や400以上の病床数といった条件を満たした医療機関を治験の中核施設にすることを決めた。このため60床の先端医療センターが従来通りの機能を発揮できなくなる可能性が浮上していた。

 加えて先端医療センターは市が設立した病院という形式を取っていなかったため、国の財政措置が受けられない。中央市民病院に統合すると医療機器の買い替えなどで、財政措置を神戸市として受けられるようになる。両病院は隣接していることから管理の一元化によって、より効率的な病院運営も期待できるという。

 iPS細胞を使った網膜再生をなど再生医療の実用化を目指す神戸アイセンター(仮称)は、先端医療センターの運営団体である先端医療振興財団が設立を目指してきた。今後は中央市民病院を運営する神戸市民病院機構に運営主体を移す方針も合わせて決めた。現在、先端医療センターが既に実施している治験は中央市民病院が引き継ぐ。

 先端医療振興財団は神戸市が約93%を出資。2000年の設立だ。先端医療センターは同年10月、中央市民病院内に開業した。2014年度は先端医療センター以外の事業も含めて最終的に3億円強の黒字(前の年度は2億円弱の赤字)を確保した。医療センター統合後の先端医療振興財団は、神戸医療産業都市の総合調整や研究開発機能を強化する方向で改組するという。

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