シスメックス、遺伝子解析の理研ジェネシスを子会社化 凸版から株取得

　シスメックスは30日、遺伝子解析を受託する理研ジェネシス（東京都台東区）に追加出資し、子会社化したと発表した。シスメックスは2014年に理研ジェネシスに資本参加していたが、従来の親会社である凸版から株式を買い取り、保有比率を36.5％から64.7％に高めた。患者の遺伝子解析の結果に基づき、効果的に治療する需要が今後は高まるとの見方から、子会社化で関連する技術開発やノウハウ蓄積などを加速する。

　理研ジェネシスは2007年に凸版と理研傘下の理研ベンチャーキャピタル（東京都千代田区）が共同出資して設立。遺伝子解析で得た個人の特性に応じて、治療法を選んだり病気を予防したりといった個別化医療の流れをにらみ、主に遺伝子解析や関連する消耗品などの販売を手がける。

　シスメックスは個別化医療に向けて、血液や尿といった検体の検査技術や検査機器に強みを持つ。このため同社は遺伝子解析の技術と相乗効果を得られると判断し、14年に理研ジェネシスへ資本参加していた。新たな保有割合はシスメックス64.7％に対し、凸版は35.0％。理研ベンチャーキャピタルの0.3％は変わらない。

　正確な取得日や取得額などについては発表していない。