神戸経済ニュース

こちらは旧サイトです。新サイトは http://news.kobekeizai.jp をご覧ください。

コンテナ最大手マースクが神戸撤退 欧州・アジア間の新航路発表

 デンマークのコンテナ世界最大手APモラー・マースクは現地時間30日、欧州・アジア間の新航路を発表した。日本と欧州を直接結ぶ便は休止する。2014年に神戸と北米を結ぶ路線を休止したのに続く減便で、同社は神戸港を事実上撤退する形になる。神戸港と欧州を結ぶコンテナ基幹航路は日本郵船商船三井が共同運行する1航路のみになる見込み。(写真は六甲アイランドのコンテナバースに停泊するマースクのコンテナ船「Ebba Maersk」=神戸港振興協会の配布資料より)

f:id:gaku-tokyo:20160531211739p:plain

   国内では、20フィート型換算で年間100万個のコンテナを取り扱う南本牧バースを使用する横浜港への寄港は続けるが、中国から欧州に向かう西行きの途中に立ち寄る形になるようだ。ただ、新たな欧州アジア間の基幹5航路は、英国やオランダ、ドイツ、デンマークなどと中国南部を結ぶ便を中核にする。

 航路の再編によって運航を効率化し、運賃の競争力向上などを狙うとみられる。背景には世界景気の減速に伴う、運賃市況の悪化があるようだ。マースクが5月4日に発表した2016年1〜3月期決算は純利益が前年同期比86%減の2億1100万ドル(約230億円)と急減。船舶余剰による運賃下落に加え、原油安を受けた石油開発部門の収益悪化も響いたという。

 国内の製造業が生産を海外シフトした結果、日本から輸出する貨物は長期的に減少傾向をたどっているという面もある。マースクは特に貨物が多い航路に運航を絞り、経営を立て直す狙いもあるとみられる。一方で、京浜港阪神港で進めている港湾設備や水深の大型コンテナ船への対応は、見直しを迫られる可能性も出てきた。

copyright(c)2014 by Kobe Keizai News, all rights reserved