神戸経済ニュース

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神戸市、液化水素を巡る技術開発で川重と連携 神戸空港島で実証事業

 神戸市は26日、川崎重工業との間で液化水素の輸送や荷役の技術開発で連携することを21日に合意したと発表した。川重に加え、岩谷産業電源開発(Jパワー)で実施する国内の水素供給網「水素サプライチェーン」構築の実証事業に神戸市も参画する。神戸市は神戸空港島の北東部に場所を確保。オーストラリアから海上輸送された水素を陸揚げし、陸上輸送につなげる基地の開発で川重と連携する。

 Jパワーが褐炭(かったん)と呼ばれる低品位の石炭を使ってオーストラリアで製造した水素を海上輸送し、日本各地で岩谷産業燃料電池車(FCV)向け水素ステーションの店舗網を展開できるか今回の実証事業で確認する。川重は水素輸送船や荷役技術などの開発を担当。2016年度中には仕様検討を終え、設計・製作・試運転の段階に入る計画だ。20年度の実証運転を目指す。

 燃料電池は水素を燃料にするが、エネルギーを取り出したあとに二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスが発生しないため、次世代エネルギーの有力候補とされる。神戸市はFCVの購入に国とは別に助成金をつけているほか、トヨタ自動車のFCV「ミライ」を公用車としても購入した。一方、化石燃料を材料とする水素は製造時に二酸化炭素を排出するため、トータルでみれば温暖化ガスの排出抑制策としての燃料電池の普及には懐疑的な見方もある。

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