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住友ゴム、年内に材料開発で新技術確立 新材料は東京モータショーで発表

 住友ゴムは6日、従来よりも精緻な水準でタイヤの新材料を開発する技術を年内にも確立すると発表した。理科学研究所の計算科学研究機構(神戸市中央区)が運用するスーパーコンピューター「京」などを活用したシミュレーション解析で、グリップ性能や低燃費性能、耐摩耗性能の大幅な向上が期待できるという。新技術を活用して開発したタイヤは、10月29日に開幕する東京モーターショーで発表する。

 同社は2011年に、独自のシミュレーション技術を導入して材料の性能を予測。ナノメートル(ナノは10億分の1)レベルで高精度に材料を設計していた。しかし近年は、低燃費性能などを中心に競争が一段と激化。通常は低燃費性能を強化するとグリップ性能や耐摩耗性能が低下する背反性能のため、より高度なシミュレーション技術が必要になった。

 このため大型放射光施設の「SPring-8」(兵庫県佐用郡佐用町)でゴムの構造解析を、中性子実験施設の「J-PARC」(茨城県那珂郡東海村)で運動解析を進めた。その結果を京コンピューターを使ったシミュレーションで活用。新技術では、ゴムの中で分子レベルのごく小さな破壊現象や摩耗現象を可視化できることから、これらを抑制する素材の開発ができるようになったという。

 今回の技術を活用した新素材のタイヤは東京モーターショーでの発表後、16年には製品化する計画だ。

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