神戸経済ニュース

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海運大手3社がコンテナ事業を統合 神戸港でもターミナル再編など影響か

 日本郵船商船三井川崎汽船の3社は31日、各社とも主力事業である定期コンテナ船事業を統合すると発表した。同日に3社で事業統合契約を結んだ。2017年7月1日付で共同出資会社を設立し、18年4月から新会社での運航を開始する。コンテナ運賃が記録的に低水準で推移していることから、事業統合によって運営を効率化し、生き残りを図る。神戸港でもコンテナターミナルなどの再編といった形で影響する可能性が出てきた。

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 3社がコンテナ事業の統合に踏み切る背景には、コンテナ運賃の低迷による事業環境の悪化がある。新興国経済の減速で貨物が減るなか、海運市況が活況だった際に建造を計画した船舶が相次いで完成。貨物の量に対して船腹の供給が過多になった。このため記録的な水準に運賃が下落。韓国の海運最大手である韓進海運が8月に経営破綻したのもこのためだ。3社はコンテナ事業を単純合計すれば、運航船腹量は138万2000TEU(TEUは20フィートコンテナ換算)と世界6位になる。悪化した事業環境の中を、規模の拡大で生き残る狙いがあるという。

 国際港湾である神戸港でも3社の存在感は大きい。商船三井と郵船は、神戸港では最も水深が深い16メートルに対応した岸壁を専用コンテナターミナルとして使用。積載量が20フィートコンテナで1万個といった大型船も着岸できる。高規格の港湾設備を使用する海運会社に再編が起きたことで、港湾運営の面からも今回の3社の事業統合が関心を集めそうだ。

 各社のコンテナターミナル商船三井ポートアイランドの区画PC15〜17(地図の青い部分)、川崎汽船六甲アイランドの区画RC4・5(地図のピンクの部分)、郵船は同RC6・7(地図の緑の部分)とそれぞれ離れた位置にある。3社が事業統合して運営を効率化させるとすれば、貨物の行き先別にターミナルを分けたり、借り受けた岸壁の一部を神戸市に返上したりといった形で、ターミナルの再編も考えられる。

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