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神戸市、「ポケモンGO・スマホ」で有識者会合 行政への活用策なども議論

 神戸市は15日午前、「『ポケモンGO』などスマホスマートフォン)の進化が地域社会・地域経済に与える影響に関する有識者会議」(座長、品田裕神戸大教授)の初回会合を開催した。久元喜造神戸市長は冒頭のあいさつで、阪神淡路大震災が発生した1995年にパソコンを加速的に普及させた基本ソフト(OS)のウィンドウズ95が発売されたことにも触れ、「スマホの光と影」(久元氏)について活発な議論を促した。

 久元氏は「現実と仮想現実の境目のない世界が、技術によって普通になってきたのではないか」との見方を示した。そのうえで「ビジネスだけでなく行政の分野にも生かして効率化やサービスを高めることができる可能性があるのではないか」との問題意識を述べ、有識者会議への期待感を表明した。

 会合ではNTTドコモの担当者から携帯電話の技術の進展や、最近の「ポケモンGO」に関する話題が示された後、出席した座長を含む6人の委員が発言。産業振興に関連し、ウエアラブル(着用できる)コンピューターなどを研究する神戸大教授の塚本昌彦氏は「単純に歩きスマホを禁止することは(現実と仮想現実を結びつける)サイバーフィジカルの世界に対して目を閉じることになる」と指摘。神戸情報大学院大学講師の横山輝明氏は、やり方によっては「神戸でICT(情報通信技術)を使った街おこしをしても、お金が東京へ逃げていくということになりかねない」と語った。

 一方、国立病院機構久里浜医療センターの三原聡子氏は「世界的にはまだわかっていないことも多いが、健康を害するほどネットのサービスに利用される子供でなく、利用できる子供を育てるにはどうしたら良いかを考えたい」と述べた。そのうえで座長の品田氏は「若者を引き付ける街として、神戸ならではの提言が必要だろうと思っている」と意欲的だった。

 有識者会議では今後「地域経済」「地域社会」「教育、子育て、青少年の育成」をテーマに3回の会合を開き、年度内にも意見を取りまとめる会合を開催。市民に対する何らかの形でのメッセージにつなげる計画だ。

 

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