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井戸兵庫知事「かっこいい分析風だが生産年齢人口が減ると言っただけ」 内閣府の推計を批判

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 兵庫県井戸敏三知事(写真=兵庫県が公開した動画より)は30日の定例記者会見で、内閣府が25日に発表した報告書「地域の経済2016」のうち都道府県の将来の生産力を推計した「人口動向で変わる地域の稼得能力」について、「いささか意義あり」「かっこいい分析風でありながら、生産年齢人口が減るぞと言っているにすぎない」などと批判した。

 内閣府は生産年齢人口の減少によって、14年後の2030年度には38道府県が、消費などの需要に見合った生産額を域内でまかなえない、生産力の「赤字」に陥ると予想。現在は「黒字」の兵庫県も30年度には赤字に転じている県の1つに挙げられた。

 だが兵庫県内閣府の推計について、生産年齢人口の減少率以外は現在と変化しないことが前提であるのを疑問視。この数年、特に兵庫県では生産年齢人口が減っているにもかかわらず、1人あたりの供給額や需要額は伸びている。こうした生産性の向上などを内閣府の推計では織り込んでいないと指摘した。

 結果として「いかにも地域が衰退するという印象を与えるような分析になっている」(井戸氏)ことに違和感を表した形だ。井戸氏は以前から、横浜市や神戸市に比べ人口が少なくなった京都市の発信力が衰えないことなどを例に出し、人口減に見合った地域の活性化などを訴えていた。

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