神戸経済ニュース

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神戸市の前年度決算、全会計ベースで148億円の黒字 市長「楽観できぬ」

 神戸市は10日、2015年度の決算を発表した。一般会計は、歳入から歳出と次年度繰越金を除いた実質収支が12億円の黒字(14年度は15億円の黒字)になり、1999年度から17年連続で黒字を確保した。企業の連結決算に相当する全会計ベースでは、148億円の黒字(14年度は96億円の赤字)になった。

 一般会計の収入は14年度比212億円増の7097億円だった。法人税率の引き下げなどで市税が減少した半面、消費税率の引き上げに伴い国からの譲与税・交付金が増えた。同会計の支出は202億円増の7006億円だった。扶助費が98億円増の1951億円になるなど、社会保障費が大幅に増えた。補助金や積立金はやや削減した。

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 全会計ベースでは、企業会計が軒並み改善したのが寄与した。前の年度に85億円の赤字だったのが前年度は33億円の黒字に改善。高速鉄道(地下鉄)事業は運賃収入の増加などで21億円の黒字(前の年度は51億円の赤字)と、震災後の最高益を記録した。

 市債残高も16年3月末で1兆581億円と1年前に比べて22億円減。計画通り減少している。神戸市の久元喜造市長は10日に開いた定例記者会見で「財政健全化の努力を重ねてきた」と強調。「5年連続で(給与カットや基金の取り崩しといった)財源対策を実施せずに黒字を確保した」と説明した。

 久元氏は一方で、今後の財政環境について「決して楽観できるものではない」とも指摘した。今後も社会保障費は増え続けるとの見方を示したうえで「財政の健全性を確保するうえでは歳入の確保とともに、事務事業の積極的な見直しを行っていく」との方針を改めて述べた。

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