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初の祝日「山の日」、六甲・摩耶でもイベント相次ぐ 山の日商戦で活性化も

 祝日法の改正で今年から8月11日が「山の日」になり、初めて施行される。夏休みシーズンの最盛期とあって、神戸の「山」である六甲山や摩耶山でも観光誘致を狙ったイベントが相次ぐ(表)。京都の比叡山との間に「山」同士で連携する動きも出てきた。元祖・山の専門店である登山用品店では、山の日商戦も意識しているようだ。

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 「海、山へ行く」。一瞬、目を疑うが、これもイベント名だ。摩耶山頂から奥摩耶ドライブウェイで少し走ると到着する穂高湖(神戸市灘区)を海に見立て、この日限りのビーチリゾートが湖畔に現れる。海より涼しい山の上で、スタンドアップパドル(SUP)と呼ばれる海のスポーツ(写真=摩耶山再生の会マヤログより)や海の家での海産物料理、ビーチDJなどが楽しめる催しだ。当日は摩耶ロープウェイに接続する掬星台から無料のシャトルバスを運行する。

 現在の須磨区や西区の山を切り開いて宅地を造成し、そこで出た残土をポートアイランドの埋め立てに使った往年の"株式会社神戸市"時代のキャッチフレーズは「山、海へ行く」だった。神戸市内の小学校に通うと必ず出会う、このフレーズに引っ掛けたというわけだ。須磨や舞子の海水浴場と異なるのは、泳げないということか。

 阪急阪神ホールディングス傘下の六甲山観光(神戸市灘区)は、京阪ホールディングス傘下の比叡山自動車道大津市)と共同で、初めての山の日を記念したキャンペーンを11月19日まで開催中だ。六甲山上の六甲ガーデンテラス比叡山上にあるガーデンミュージアム比叡では、互いにオリジナル商品を販売。両施設にはそれぞれスタンプを設置し、所定の台紙に両方のスタンプを集めた来場者には観光施設の招待券などをプレゼントする。六甲と比叡の「山」をきっかけに両社が組むのは極めてめずらしい。

 登山用品店の好日山荘神戸市中央区)は、同社の通販サイトで「山の日応援セール」を開催。9月1日午前10時までの買い物には、買い物代金の10%をポイントに還元する。通常の還元率は3%だが、事実上の値引き率拡大で夏のレジャーとしての登山やハイキングを後押しする。

 好日山荘は東京で11〜12日に開く「山モリ!フェス」にも協力、出店する。年250万人超と登山者数が世界一多いことで知られる高尾山の登山口、京王電鉄高尾山口駅前広場(東京都八王子市)が会場だ。同イベントは山岳情報としては老舗の出版社、山と渓谷社(東京都千代田区)が企画・運営。山の日に関連する消費の活性化に向けて、メディアとの連携にも余念がないようだ。

 

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