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神戸製鋼の今期、純利益が従来予想比で半減 中間配は見送り

 神戸製鋼所は29日、2017年3月期の連結最終損益が100億円の黒字(前期は215億円の赤字)になる見通しを発表した。4月に発表した従来の今期予想である200億円から黒字幅が半減する下方修正だ。円高進行に加えて中国や東南アジアの景気減速が長期化していることから、輸出採算の悪化や海外収益の目減り、建機の販売数量減などを織り込んだ。未定としていた中間配当も見送り(前年同期は2円)を決めた。

 売上高は5%減の1兆7300億円、営業利益は27%減の500億円を見込む。従来予想はそれぞれ1兆7500億円、650億円だった。円高で鉄鋼の販売価格がさらに下落する見込み。アルミや銅は販売数量こそ増えるが、国際商品市況の悪化を受けた販売価格の下落で在庫評価損が発生する。建機事業は中国で貸倒引当金の計上も予定する。

 同時に発表した2016年4〜6月期の連結決算は、最終損益が20億円の赤字(前年同期は118億円の黒字)だった。円高による鋼材の輸出減や、中国での建機の需要減などが響いた。売上高は前年同期比12%減の4044億円、営業利益は50%減の127億円だった。

 加えて、傘下の神鋼鋼線ステンレス大阪府泉佐野市)が製造したバネ用のステンレス鋼線で試験値を書き換え、JIS規格の適合品であると偽って規格外品を出荷していた問題で、出荷した対象製品55.3トンのうち93%で同バネを使った製品の安全を確認したと発表した。残り7%のうち5%が用途不明などで追跡調査ができず、2%が販売先で安全性を確認中としている。

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