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神戸のスローフード、世界に発信できるか 神戸市がNPOと連携

 神戸市は23日、「スローフード」を実践する生産者や料理人の世界的なネットワークであるNPO非営利組織)の「スローフードインターナショナル」(SFI)と連携して神戸の食を世界に発信すると発表した。SFIはイタリアを拠点に世界160カ国に広がるスローフード運動の普及に広く貢献してきた。神戸市はの食に関する行事などでSFIの活動を支援する一方、神戸産食材の輸出促進などをねらう。

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  スローフードとは各地域の伝統的な食文化や食材を見直す運動。世界中で同じ食事を提供するファストフードから一歩引いて食について考えようと、1986年のイタリアで提唱された。都市近郊の農家や漁港を持つ神戸市でも、市民の食に対する意識を高めると同時に神戸の食文化を海外に紹介するきっかけになると、両者の連携につながったようだ。

 まずは26日に両者の連携開始を記念したランチ交流会をデザインクリエイティブセンター神戸(KIITO)で開く。ランチには神戸の食材を使用する予定だ。当日は引き続き「スローフード日本」の設立大会を開催。8月からはSFIの講師や事業者によるセミナーを順次開催するほか、SFIが設立したイタリア食科学大学と神戸大学で学生の交流なども予定する。

 9月22〜26日にイタリア・トリノで開催する欧州最大規模の食の見本市「テッラ・マードレ・サローネ・デル・グスト 」(SFIやピエモンテ州など主催)には、灘の酒、有馬山椒、有馬炭酸せんべいいかなごなど市内の生産者が参加し、神戸の食文化や食材を売り込む計画だ。

 神戸市の久元喜造市長が23日に、SFI国際本部のパオロ・デ・クローチェ事務局長と共同で記者会見して発表した(写真=神戸市が公開した動画より)。久元氏は「食は市民や企業、農漁業者、商店街など街のすべての方々をつなぐ接点でもある。『食都神戸』を実現する大きな契機になればありがたい」と話した。

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