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神戸製鋼、グループ会社がステンレス鋼線の試験値書き換え 家電向けバネ素材

 神戸製鋼所は9日、グループ会社の神鋼鋼線ステンレス(大阪府泉佐野市)が製造しているバネ用のステンレス鋼線で試験値を書き換え、JIS規格の適合品であると偽って規格外品を出荷していたと発表した。神鋼鋼線ステンレスは、神戸製鋼が約30%出資する東証2部上場会社である神鋼鋼線工業の完全子会社。

 引っ張り強度がJIS規格を満たしていなかったにも関わらず、JISマークをつけた出荷した。検査記録がある2007年4月から16年5月の約9年間に、55.6トンを出荷。このうち74%が家電・家庭用品などにバネとして使われ、給湯器などガス設備向けに12%、自動車向けに6%が使われた。8%の用途が分かっていない。

 問題のステンレス鋼の引っ張り強度は、規格の96%を上回る水準には到達しているという。神戸製鋼は、通常の設計上の余裕を考慮するとバネが突然折れる可能性は低いとみている。引き続き未判明分の用途を調べると同時に、納入先のバネメーカーと協力して最終製品の安全性などに影響がないか調べる。

 神戸製鋼では08年にも子会社で東証1部の日本高周波鋼業で、JISで定めた硬さ試験をせずに鋼材を出荷していたことが判明していた。再びステンレス鋼材でも不正が見つかったことで、神戸製鋼は調査委員会を設置し、識者の意見も取り入れて再発防止策をまとめる計画という。

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