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関経連、過度のROE重視に異論 企業価値・企業統治で提言

 関西経済連合会(会長・森詳介関西電力会長)は26日、企業価値の向上と企業統治コーポレートガバナンス)整備のあり方で提言をまとめ、同日付で政府・与党に進言したと発表した。過度に自己資本利益率(ROE)を重視すると企業価値を適正に評価できなくなると主張。企業統治に関しても形式より実質が伴うよう経営者の努力こそが必要であり、当局による画一的な規制はかえって企業価値を損ねる可能性を指摘した。

 関経連は「研究開発費の削減や投資の抑制、人件費の削減に走れば、ROEは高くなるが、企業の中長期的な成長力を毀(き)損する」と指摘。江戸時代などの近江商人の心得とされる「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)を例に引き、「社会貢献を意識した企業倫理や長期的な経営の安定を志向する、日本企業の実態に合わない」と訴える。

  ROEとは税引き利益を自己資本で割って算出する。株主が投下した資本が、どれだけ効率的に利益につながったかを計る指標だ。日本取引所グループ(JPX)はROEが高い企業で構成する株価指数「日経JPXインデックス400」を整備し、国内外の年金基金に対して同指数に連動する株式運用を促すなど、ROEは存在感を増している。

 海外の投資家に向けては、むしろ企業理念や社会貢献といった非財務情報を含めて統合的な情報発信を提案。株主提案権の制限や、四半期開示の義務化廃止なども提言に盛り込んだ。

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