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神戸製鋼の川崎社長、従業員の安全「極めて憂慮すべき事態」 年頭の辞

 神戸製鋼所は5日、「年頭の辞」として主に従業員に向けた川崎博也社長のコメントを公表した。コメントでは従業員に改めて安全な業務運営を求めた。2015年3月に加古川製鉄所(兵庫県加古川市)で1人が死亡する事故が起きたことを示し、「当社グループ全体として極めて憂慮すべき事態」と表明。「ものづくりの原点である安全に対して、我々全員が強い危機感を持たなければなりません」と述べた。同社では14年5月にも、神戸製鉄所(神戸市灘区)で1人が死亡する事故が発生していた。

 このほか16年3月期は連結経常利益が550億円と前期に比べほぼ半減する見通しであることに触れ、資源価格の下落や中国の景気減速により「総じて強い向い風受けています」との見方を示した。そのうえで「操業トラブルの発生による損失計上など、ものづくり力の向上にも課題が残されています」と指摘し、安全性と確実性がともに高まるような業務の改善に乗り出す姿勢をみせた。

 同社は4月から始まる2017年3月期には、21年3月期までの新しい中期計画の期間が始まる。来期は加古川製鉄所の高炉改修による費用計上が見込まれるうえ、18年3月期も消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が懸念され、見通しは厳しい。だが、発電事業の拡大など「戦略的投資案件をスケジュール通り確実に進めていくことで、強靭な安定収益体質を有する企業へと発展することができると確信しております」と展望した。

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