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山陽電鉄と台湾鉄路管理局、近畿初の乗車券連携 両方乗れば得に

 山陽電気鉄道と台湾の国有鉄道である台湾鉄路管理局(台鉄)は、乗車券の相互交流を始めた。台鉄で「東北角一日券」を利用した乗客が日本を訪れた際、山陽電鉄が発行した「姫路ツーリストパス」(写真=山陽電鉄の発表資料より)を購入すると須磨浦山上遊園(神戸市須磨区)や舞子ホテル(同垂水区)などで使える「1000円分共通優待券」を渡す。山陽電鉄で一日券を利用した乗客が台湾を訪れた際も、台鉄で特典を受けられる。姉妹鉄道協定から1周年を経過した2015年12月22日から開始した。

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 これまで台鉄は西武ホールディングス京浜急行電鉄などと乗車券を通じて連携してきたが、近畿地方では山陽電鉄との連携が初めて。ともに都市も自然も豊富な観光資源がある近畿地方と台湾の鉄道を、両方とも乗車することで得になる仕組みを作った。観光での相互交流を一段と活性化する狙いがあるという。

 東北角一日券は、台湾東北部を走る台鉄の平渓線、深澳線、瑞芳駅~頭城駅が1日乗り降り自由になる切符。日本の統治時代の面影を残す人気の観光スポット「九份」を訪れることもできる。使用済みの東北角一日券を持って訪日し、当日使用分の姫路ツーリストパスのケースを山陽電鉄板宿駅山陽垂水駅山陽明石駅山陽姫路駅のいずれかに持ち込めば、優待券と引き換えられる。須磨浦山上遊園舞子ホテルでは、姫路ツーリストパス自体の特典である割引を適用したうえで、さらに1000円の値引きが受けられる形だ。

 一方、山陽電鉄で「三宮・姫路1dayチケット」など6種類ある1日券のうちどれか1種類を利用した乗客が台湾を訪問した際、台鉄の台北駅または瑞芳駅で使用済みの券面とパスポートの提示と引き換えに、東北角一日券を配布する。

 経済効果などは現時点で未知数だが、姫路城は昨年3月に改修を終えて3年半ぶりに一般公開されて以来、外国人観光客の訪問が増えている。そうした観光客を須磨や舞子に誘導することで、買い物ばかりでなく日本の景色を楽しむ訪日客の増加を後押しする可能性もある。

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