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ネスレ日本、温暖化ガス削減で海運を積極活用 川崎近海、気象協会と連携

 ネスレ日本は11日、川崎近海汽船日本気象協会との3社で物流の効率化について連携すると発表した。国内海運や気象情報を積極活用することで、省エネルギーや温暖化ガス排出削減などを推し進める。ネスレは既に海運の積極活用に動き始めた。加えて、中長期的な課題になるトラックドライバーの不足などにも備える。

 ネスレは今年から姫路工場(姫路市)や霞ヶ浦工場(茨城県稲敷市)などから遠い北海道や九州向けに、内航船を使った出荷を増やしている。船舶での運搬はトラック輸送に比べ、二酸化炭素の排出量が6分の1と小さいためだ。船舶での輸送を増やすと、輸送計画を立てるにあたり、同社にとって気象情報の重要性が高まったという。

 川崎近海汽船の試算によると、フェリーのように荷物を載せたトラックを乗せる「RORO船」を活用すれば、北関東から北九州の海上輸送は、茨城県土浦市から福岡市の陸上輸送に比べ、二酸化炭素の排出量を約51%抑えられるという。海上輸送中はドライバーが原則として必要ないため、ドライバー不足の解消にもつなげられる。

 ネスレは従来も、販売が気温に大きく左右されるコーヒーの出荷量を調整するのに気象予測データを活用してきた。日本気象協会は引き続き、ネスレに2週間先までの気象予測情報を、川崎近海汽船には内航船向けの最航路計画や気象・海象予測(海上風、波浪、海潮流)をそれぞれ提供する。

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