神戸国際フルートコンクール、17年に次回開催へ 大口寄付で財源メド
神戸市の久元喜造市長(写真=神戸市が公開した動画より)は20日の定例記者会見で、次回の神戸国際フルートコンクール(神戸市など主催)を2017年5〜6月に開くと発表した。セレモア文化財団(東京都立川市)の辻正司理事長と家族が個人で4200万円を寄付することで、財源にメドが立ったため。神戸市は毎回5000万円を支出していた補助金の打ち切りを決め、存続があやぶまれていた。
辻氏らは17年まで3年に分割して寄付し、今年分の1400万円は神戸市が既に受け取ったという。
一方、久元氏は記者会見で「コンクールだけでは、なかなか音楽芸術に参画をするという意味で市民への広がりは限られるのではないか」と指摘。コンクールの存続が議論になったのを機に、幅広い市民が参加する「国際音楽祭」に発展させることを企画検討する組織を設置する方針も明らかにした。演奏家や音楽芸術の研究者、文化振興に関心がある企業など幅広い分野に参加を呼びかける。
今後はコンクールを中心として、フルートが中心になって演奏するコンサートや、著名な演奏家などによる公開レッスン、楽器展、音楽学などの学会といった幅広い市民の参加や経済効果がある事業の可否も模索する。加えて、音楽祭に形を変えることで、再び神戸市の補助金が再開される可能性に道を残したとも受け止められそう。
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