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神戸製鋼、今期の純利益77%減の見込み 3度目の下方修正

 神戸製鋼所は10月30日、2016年3月期の連結純利益が前期比77%減の200億円になりそうだと発表した。従来予想の250億円から、減益幅が拡大する。業績予想の下方修正は、9月28日に続き今期3度目になった。中国など新興国景気の減速に加え、国内では自動車向け高級鋼板を中心に需要の戻りが鈍い見通しという。期末配当金は引き続き未定とした。

 売上高は前期比1%減の1兆8700億円、営業利益は25%減の900億円を見込む。従来予想はそれぞれ1兆9000億円、950億円だった。8つの主要な事業分野のうち「鉄鋼」「アルミ・銅」「コベルコ建機」「コベルコクレーン」の4分野で見通しを引き下げた。それ以外の分野は従来予想を据え置いた。アルミ・銅は地金価格の下落による在庫評価損が発生する見込み。

 同社は7月28日に中国での建機需要が減速したことなどを理由に今期予想を下方修正、9月28日には加古川製鉄所での生産トラブルを主因に今期予想を下方修正した。今回は前回までの2回とは別の理由で、改めて一段と収益見通しを引き下げた。年間で3回の下方修正は同社としては珍しい。

 同時に発表した2015年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比68%減の134億円だった。事業評価に関する特別損失が想定を下回り、従来予想の100億円は上回った。ただ、中国で建設需要が後退しており、アジアの幅広い地域で鋼材市況が悪化した影響を受けた。アルミ・銅の寄与などで売上高は同1%増の9286億円と伸びたが、営業利益は18%減の470億円にとどまった。

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