神戸経済ニュース

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Q&A 「神戸ときめき商品券」とは? 消費者は2割お得、17日発売

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 Q 「神戸ときめき商品券」とは何か。

 A 神戸ときめき商品券の発売が8月17日に迫っている。神戸ときめき商品券とは、束になった1冊を1万円で購入すれば1万2000円分の買い物ができる商品券のことだ。1冊購入するごとにスクラッチカードが手渡され、当たりだとさらに500円または1000円の、商店街や町の市場だけで使える商品券が当たる。45万冊を発行する予定で、発行するのは神戸市だ。売り切れ次第販売を終了。使えるのは11月30日まで。「多子世帯」「ひとり親家庭」には、7日から先行で、割引販売も始めている。(写真は「神戸ときめき商品券」の見本=神戸市のホームページより)

 Q 何のために発行するのか。

 A 神戸市は「地元消費の拡大と地域経済の活性化を図ること」が目的だと説明している。つまり景気対策だという。しかし、日銀神戸支店によると、神戸市を含む兵庫県個人消費は回復局面だ。はたして本当に対策が必要な時期かどうかは分からない。また、こうした商品券に経済を活性化する効果があるのかに疑問も残る。商品券を使って消費を促しても、たとえば生鮮食品なら必要以上には購入しないだろう。家具や家電といった耐久消費財も、将来の需要を先食いするだけだとの指摘もある。

 1999年に政府は高齢者などを対象に「地域振興券」という商品券を無料で配布して個人に消費を促した。だがその後、家計の支出が伸びた形跡は見当たらない。大きな経済効果はなかったというのが一般的な評価だ。結局は公共事業などの政府支出を増やし、2000年のIT(情報技術)バブルまで時間稼ぎをした形になった。2009年の「定額給付金」も同様の評価が多い。

 Q なぜ「2割お得」の商品券を発行できるのか。

 A 政府が、お得な割り増し分(プレミアム)の財源を手当てしたからだ。政府は昨年12月27日に緊急経済対策を閣議決定し、明けて今年1月には補正予算を閣議決定した。このうち自治体に交付する「地域住民生活緊急支援のための交付金」の使い道について政府は「消費喚起効果が高いものを推奨」と説明。例の1つとして「プレミアム付き商品券」を挙げた。このため多くの自治体がプレミアム付き商品券の発行に動いたようだ。

 Q 神戸市以外の自治体でも発行しているのか。

 A 政府の施策もあって今年は97%の自治体がプレミアムが付いた商品券を発行するという。1〜3割のプレミアムが一般的のようだ。大阪市の「大阪市内で買いま商品券」は、ほぼ神戸市と同じ内容。1万円で1万2000円分使える商品券だ。ただ、これまでも自前の予算で発行していた自治体は少なくない。たとえば、2割のプレミアムが付く奈良県の「せんとくんプレミアム商品券」は、このところ毎年、発行されている。

 商店街や市場など利用できる店を限定することで、実質的にはプレミアム分が商店街や市場などへの補助金になる。自治体は「シャッター通り」への対策や、地元のにぎわいを維持するために現存する商店が閉店しないよう、資金を振り向きてきた。そうした補助金が、たとえば神戸市の三宮や元町の高架下で、店舗の新陳代謝を促し、若者向けの店も増えた現在のようなにぎわいを創出できるのかは分からない。

 Q どこで購入や利用ができるのか。

 A 市内の200カ所で販売する。利用できるのも市内の店舗で、店頭に商品券が利用できると分かるよう掲示される。販売場所や利用できる店舗は商品券のホームページで検索できる。1回の購入で6冊までしか買えない。利用する際も店舗を選ぶだけでなく、お釣りが出ないことや、タバコには使えないことなどに注意が必要だ。

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