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三菱電、神戸に制御盤の工場新設 需要増に対応、65億円投資

 三菱電機は12日、神戸市兵庫区の同社敷地内に制御盤の新工場を建設すると発表した。2016年6月から順次稼働する計画。列車向け電力供給設備や、次世代送電網(スマートグリッド)などが今後国内外で普及するとみられることから、生産や試験に利用できる施設を拡充するのが狙い。神戸市西区に分散していた系統変電部門も集約し、効率化を図る。総投資額は約65億円の見込み。

 鉄道の電源方式は国内でも交流と直流が混在しているほか、海外では電圧もまちまち。このため新興国でも進む高速鉄道の整備などでは、系統制御や分電盤も大きな役割を担う。高速鉄道の生産拠点は川崎重工業が神戸に構えるほか、三菱重工業広島県三原市、日立が山口県下松市と西日本に多いことから、神戸に新工場を建設することで鉄道システム全体を設計するメーカーなどとの連携も期待できそうだ。

 加えて二酸化炭素(CO2)の排出削減などをスマートグリッドの普及は国内でも課題で、需要はすでに拡大しつつあるようだ。もともと分電盤の製造、開発拠点であった神戸に新たな工場を建設することで、これまでのノウハウも引き継ぎやすいと判断したとみられる。

 今回建設する新工場はLED(発光ダイオード)照明や、160キロワットの太陽光発電などを採用。窓ごとに小さな庇(ひさし)や断熱ガラス、屋上緑化なども駆使して環境負荷の軽減を狙う。(図は新工場の完成予想図=三菱電の発表資料より)

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