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神戸港、1月の輸出は過去最高 米好景気、円安が追い風

 神戸税関が19日に発表した1月の貿易統計速報では、神戸港を通じた輸出額が1月としては過去最高の4303億円になった。前年同月の3543億円を21.4%上回った。中国などアジア向けの輸出額が伸びた。米国向けも増加した。米好景気による需要増の影響を受けたうえ、月内の円相場が平均で1ドル=119円27銭と、前年同月の104円53銭から12%程度の円安・ドル高が進んだのも追い風になった。

 好景気を受けた米国での需要増に加え、中国で生産して米国で販売する電気機器に必要な電子部品などの輸出も寄与したとみられる。品目別では「重電機器」のほか、「プラスチック」「科学光学機器」などテレビやスマートフォンなどに利用する部品の輸出が増えた。米国向けの荷役機械も増え、過去最高を記録する品目が相次いだ。前年同月を上回ったのは10カ月連続。

 半面、神戸港を通じた輸入は5カ月ぶりに前年同月を下回った。輸入額は前年同月比1.7%減の2934億円だった。欧州からの「輸送用機器」や「半導体等電子部品」が減った。輸出入の差し引きでは1369億円の輸出超過だった。1月としては2011年以来4年ぶりの超過額に拡大した。

 全国統計では、19日に財務省が発表した貿易統計が、輸出額が前年同月比17.0%増の6兆1447億円と5カ月連続で増えた。半面、エネルギー価格の下落を受けて輸入額は9.0%減の7兆3222億円だったため、貿易赤字額は1兆1775億円と57.9%の大幅減になった。

 エネルギー価格の下落による輸入減と輸出の伸びで、貿易赤字はいったん解消するとの見方も出ている。ただ、発電に使う液化天然ガス(LNG)などエネルギー源である「鉱物性燃料」の神戸港を通じた輸入は全体の0.4%程度にとどまり、影響は小さそうだ。

 

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